現在、日本では外資系ホテルの参入や老舗ホテルの改修などが相次いでいますが、ホテル業界は深刻な人材不足に悩まされています。原因は大きく分けて、以下の3点が考えられます。
ホテルは基本的に休みがなく、24時間体制です。従業員は、基本的に24時間体制でシフトを組んでおり、他の業種よりも負担が多いと言えるでしょう。さらに、きめ細かな対応を追求すればするほど、従業員の負担は増えてしまいます。また、慢性的な人手不足により、休みが少ない、残業が多い、時間が不規則でワークライフバランスを保ちにくいなど、従業員の不満が溜まりやすい環境にあります。待遇面に差があるなどの不満が多く、離職率が高いのも特徴です。
厚生労働省の「令和2年雇用動向調査結果の概況」によると、令和2年の宿泊業・飲食サービス業の離職率は26.9%にも上ります。生活関連サービス業・娯楽業が18.4%、複合サービス事業が7.8%という離職率と比べると、宿泊業・飲食サービス業の離職率は突き抜けているのが特徴です。
さらに、同じく厚生労働省が公表した「新規学卒就職者の離職状況を公表します」によると、若手社員の離職率が高いことがわかります。新規学卒就職者の産業別就職後3年以内離職率のうち、宿泊業・飲食サービス業において、高卒は約6割、大卒は約5割が3年以内に離職しているのです。これは、離職率の高い上位5産業のうち、最も高い離職率となっています。
東京オリンピック開催前に、インバウンド対応のホテルが増加しました。さらに現在も、外資系ホテルの参入が相次いでおり、アフターコロナのインバウンド需要の回復が望める可能性もあります。このようなことから、今後もインバウンド対応ホテルの増加は見込まれます。ホテル数が増加し、人員が必要になるにもかかわらず、上記のように離職率が高いホテル業界では求職者の取り合いとなってしまうのが現実です。
日本のホテル業界は、深刻な人手不足が問題です。そこで、離職者を減らし、求職者を増やすことが喫緊の課題と言えるでしょう。具体的な方法として、以下の4つの施策が考えられます。
ホテルや旅館などの宿泊業は、メイン業務となるお客様対応の他にも、さまざまな業務があります。例えば、日中・夜間などのシフト切り替え時に情報伝達を行う「フロント日報」、清掃や備品の補充などの作業漏れを防ぐための「点検業務」、お客様の声を反映する「業務改善レポート」なども大切な業務です。他にもさまざまな事務作業があり、報告書の作成や情報の共有に時間を取られてしまいます。簡素化できる業務は効率化を進め、生産性を高めていくことが大切です。
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一般的に、宿泊業の事務作業は、紙で管理されていることが多いのが特徴です。パソコンを使っているホテルや旅館も多いですが、日報やレポートの作成、点検作業のための資料作成、お客様からの伝達事項の入力などは、ほとんどの場合は事務所のパソコンで行います。連絡を受けた際や、後に入力するために、メモを持ち歩いている従業員も多いでしょう。パソコン管理においても、メモを書く、パソコンに入力する、情報共有のためにメール作成やフォルダに格納するといった手間が発生します。業務のデジタル化を進めることは大切です。しかし、従業員が事務作業の時間を減らせる工夫も同時に必要となります。
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業務内容を見直し、少しでも従業員の負担を減らすことが人手不足解消には欠かせません。しかし、待遇自体を見直すことも必要です。国会でも「同一労働同一賃金」の議論が始まっています。ホテル業界においても、雇用形態による待遇の格差が生じている場合は、同一労働同一賃金の実現を目指すことが課題と言えるでしょう。学歴や正規・非正規の違いによって、同じ仕事内容でも待遇の格差が発生しているケースがあります。ただでさえ、休みや残業、時間の不規則さなどで従業員の不満が溜まりやすいので、従業員が納得して働けるような待遇になっているかを見直すことが大切です。
宿泊業は対人サービスが重要視されるので、質の高いサービスを提供するためにも、言葉遣いやマナーなどの専門的知識を持った人材を育成し、サービススキルを底上げする必要があります。企業は、専門的な人材を育成できるような仕組みを作っていくことが大切です。しかし、待遇や労働環境が悪いと、せっかく人材を育成しても他のホテルに転職してしまいます。企業は、従業員がやりがいを実感できるような、働きやすさや働き甲斐を提供することも必要です。
業務をデジタル化したい場合でも、専用パッケージツールではコストが高く、自社の運用に合わない場合があります。そこで、プログラミングの専門知識が不要で、誰でも簡単にアプリを作成・活用できるPlatio(プラティオ)を導入し、業務を改善することに成功した3つの事例をご紹介します。
鶴雅リゾート株式会社は、北海道内で14のホテル・レストランを運営しています。ITツールやAI活用をはじめとするDX実現に向けた取り組みを積極的に行っており、その一環としてチャットツールを導入しました。しかし、チャットでの報告は、見逃しやすい、報告内容が散在する、データが蓄積されない、タスクが抜け漏れるなどの問題が発生していました。そこで、データ集約及び蓄積が可能なPlatioを導入し、温泉の湯温管理や布団敷きのタイミングを通知する6つの業務アプリを3日で作成しました。現場スタッフの業務改善はもちろんのこと、施設状況を正確に把握できるようになり、異変を素早く検知、対策することで宿泊者の顧客満足度が向上。また、データの可視化・分析が可能になり長期的な施設修繕計画の立案に役立てています。
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石川県の和倉温泉で3館のホテル旅館を展開する加賀屋の姉妹館「あえの風」では、掃除点検や忘れ物記録がアナログ業務だったため、お客様への報告や事務作業に時間を要していました。
そこで、Platioを導入し「清掃点検アプリ」と「忘れ物記録アプリ」を3日で作成。アプリ活用によるデジタル化で、タイムリーな情報共有と報告が可能になり、情報共有のタイムラグを最大5時間削減。事務作業の時間が削減され接遇時間が創出できただけではなく、アプリ上に明記されたマニュアルを確認し点検することで属人化を防止し、作業レベルの統一化を実現しました。
また、全128客室分の報告書やマニュアルのペーパーレス化を推進しています。
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全329室の客室を誇る株式会社ホテルグランヴィア岡山では、Excelの連絡表に客室の状態を文章で記入していましたが、フォーマットが統一されていない、写真が添付できない、データ入力までのタイムラグがある、部門間でのデータ共有がスムーズに行えていないなどの課題がありました。そこで、Platioを導入し、全ての客室の状態を、客室課・施設課・予約課・フロントの4部門間でリアルタイムに共有できる「客室カルテ」を作成しました。施設管理に必要な情報を即座に共有できたことで、顧客満足度向上に貢献できただけではなく、報告データの一元管理によって計画的な設備の修繕が可能になりました。
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IT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者が、ITツール導入するための経費の一部を国が補助する支援制度のひとつです。人員不足の解消やコスト削減が図れるため、今後はどの業界においてもITツールの導入がますます加速するでしょう。もちろん、ホテル業界もIT導入補助金の対象になります。ただし、補助金を受けるにはいくつかの要件があるので注意が必要です。要件、スケジュール、申請・手続きのフローなどは、下記を参考にしてください。
今回は、ホテル業界が直面する深刻な人手不足についてご紹介しました。
ホテル業界が人材不足に陥っている原因には、以下のような理由があります。
これらの課題を改善するために、以下のような施策が必要になります。
上記の中でも、自社の状況に合わせたIT化を進めることで、業務管理がしやすくなる、従業員の事務作業の時間が減らせるなどのメリットが生まれます。しかし、専用パッケージツールを導入した場合、コストが高く、自社の運用に合わない場合もあります。
モバイルアプリ作成ツール Platioであれば、月2万円〜と低コストで導入できるうえに、100種類以上のテンプレートから選ぶだけで、プログラミングの知識がなくても現場の業務に合わせたアプリを短時間で作成・運用することが可能です。
また、アプリ作成後も運用に合わせて自分達でアプリを修正できる点もメリットです。
ホテル業界において、業務効率化を考えているのであれば、まずは、紙中心の業務のデジタル化から始めましょう。複数の客室や施設を移動することの多い客室スタッフが「その場」で報告が完結でき、リアルタイムな情報共有ができる業務アプリの活用を検討してみてはいかがでしょうか?
現場で使えるアプリの作成や現場のDX化に向けて、下記ページも参考にしてみてください。
Platioの導入事例をひとつにまとめました。宿泊・飲食業の導入背景や課題、どんなアプリを活用して効果を上げたのか、導入担当者の声も交えてご紹介しています。