
モバイルアプリ作成ツール「Platio(プラティオ)」では、様々な業種や業務で活用できるテンプレートが100種類以上も用意されています。本記事では、「建設現場ヒヤリハット記録」テンプレートを紹介します。テンプレートの特徴や活用方法、カスタマイズのアイディアなどを発信していきますので、アプリ活用のヒントにお役立てください。
その他のテンプレート紹介記事は、こちらからご覧ください。
建設、建築現場の現場監督や管理者でしたらお馴染みの「ヒヤリハット」。しかし、その重要性は理解していながらも、いまいち有効なヒヤリハット活動ができていない、もしくはヒヤリハット活動をしていたつもりなのに事故が起こってしまった、などの課題を抱えている企業も多いのではないでしょうか。その課題の原因はどこにあるかというと、「現場からのヒヤリハット報告件数が少ない」ということがあげられます。
ヒヤリハットの定義の元となるハインリッヒの法則とは、重大な事故1件につき軽微な事故が29件、さらにその背後に隠れた事故寸前の案件(ヒヤリハット)が300件ある、というものです。300件ものヒヤリハットが可視化されて初めて1件の重大な事故を防げると考えると、現場のヒヤリハット報告はなるべくたくさん集める必要性があるでしょう。そもそものヒヤリハット記録数が少ないと、その後のリスク評価、分析と対策も効果が現れません。
建設現場はオフィスではないので、作業者がヒヤリハット報告をすぐにパソコンに入力してメールで送信することは難しく、口頭伝達か筆記になるでしょう。多くの現場では「ヒヤリハットシート」のような紙を用意して事務所などに置いておき、記入するというのが実情でしょう。その場合、作業者側と管理者側の双方に負担が生まれ、ヒヤリハットシートの記入と報告が進まないという問題が発生することがあります。考えられる理由を以下にまとめてみました。
作業者、管理者お互いの負担が軽減され、かつヒヤリハットがきちんと報告される効率的な仕組みを作ることが必要でしょう。
紙で運用しているヒヤリハット報告の負担を軽減したいなら、モバイルアプリの活用がおすすめです。スマホやタブレットといったモバイル端末であれば、手軽に作業現場に持ち運ぶことができます。また、ヒヤリハットが発生したらその場で記録し、すぐに共有することができます。
モバイルアプリの導入により、業種ごとに以下のようなヒヤリハットの課題を解決できます。
| 業種 | 紙運用における主な課題 | モバイルアプリによる解決 |
|---|---|---|
| 建設業 | 現場の状況を説明するための文章作成が負担に | アプリから写真の添付や音声入力の活用で効率化 |
| 製造業 | 紙の報告書を集計する作業が遅れ、対策が間に合わず事故につながってしまう | アプリからの報告を管理者はすぐに確認可能。迅速な対策を実現 |
| 物流業 | 複数拠点で発生した事象を共有しにくい | 拠点問わず発生した事象は集約され、収集の手間なく全拠点に展開 |
| 小売業 | 顧客対応のため店舗スタッフが忙しく、報告書を書く時間が取れない | スキマ時間にアプリからタップ操作で報告を完了 |
そこでおススメしたいのが、Platioの「建設現場ヒヤリハット記録」テンプレートを使ったヒヤリハット報告の収集です。
スマホ・タブレットから作業者もしくは現場管理者がこのテンプレートに入力していくことで、ヒヤリハットが即時にデータ化され共有・参照できます。
紙に手書きする手間が減り、モバイル端末の特長である画面をタップするという直感的な操作によって入力が完了するため、ヒヤリハットの報告者にとっては記録の負担が軽減されます。紙に手書きすることに比べて記入時間も短縮されるでしょう。
ヒヤリハットの記録を取りまとめる立場の管理者側にとっても、入力された内容が即時にクラウド上にデータ保存され、報告項目も統一されるので、紙に書かれた報告内容を取りまとめる手間が大幅に軽減されます。さらにパソコンで管理画面(データビューアー)にアクセスすれば、Excelでダウンロードでき集計や分析も容易です。

Platio利用イメージ:建設現場ヒヤリハット記録
続いて、スマホ・タブレットを利用する際の注意点と、テンプレートをより活用するための応用術をご紹介します。
普段から持ち歩くスマホは、置き忘れや盗難のリスクがあります。第三者に閲覧されないためにも、画面にロックを掛ける、パスワード設定を複雑にする、端末を探す機能をオンにするなどの適切なセキュリティ対策をしておきましょう。
また、事務所に1台タブレットを置いて運用する場合、様々な人が出入りする建設現場内では盗難、持ち出し対策としてセキュリティワイヤーをつけておくことは必須といえます。最近はケースとセットになったセキュリティワイヤーが色々登場していますので、ぜひ本体と一緒に購入しましょう。防水や防塵機能付きのケースであればより安全に使うことができます。
若い世代は、スマホの操作に慣れていますが、ベテランの職人さんの中にはスマホからの入力が不得手な方も多いです。その場合は、音声入力を活用するとよいでしょう。口頭でヒヤリハットの内容を喋るだけで、テンプレートに入力することができます。
本テンプレートでヒヤリハット体験を入力する際は、「年齢」「経験年数」「日時」「原因」「発生した場合の事故の型」についてはドロップダウンリストから選択する形式となっています。残りの項目についてはキーボードからの入力です。選択形式の方が入力も簡単かつ内容が統一され精度が上がるので、他に選択形式にできるところはPlatio Studioでカスタマイズをして選択式にしてみましょう。
ヒヤリハット活動を形骸化させず、報告件数を増やして現場の安全を守るためには、以下の5つのステップがポイントとなります。
まずは「報告が集まらない理由」を探るべく、現場従業員へヒアリングします。「記入が面倒」「評価に響くのが怖い」「事務所に戻ってからの報告だと忘れてしまう」など原因を特定し、その不安や不満を取り除く施策を優先して検討します。
現場従業員に「ミスを報告したら叱責されるのでは?」という不安を持たれないように、報告が自分や仲間の命を守るための前向きな行動であることを徹底して伝えます。小さな気づきを称賛する文化づくりが大切です。
手書きの報告書ではなく、タップ操作や選択式メニューで簡単に報告できるモバイルアプリを導入します。音声入力やカメラ機能も活用すれば、より手早く操作を完了することができます。
集まった報告や、報告に基づき実施した改善結果は、時間をおかずに現場全体へ共有します。自分の報告が具体的な対策につながったことを実感できれば、報告意欲も高まります。
事象が発生しやすい時間帯や作業など、報告の傾向を定期的に分析し、現場の危険予測活動へ反映させます。データに基づく改善を繰り返すことで、活動の意義を定着させます。
港湾運送業を営む博菱港運様では、フォークリフトなどの荷役機械66台の始業前点検を紙の帳票で管理しており、帳票の作成・保管・集計に多大な手間がかかっていました。
そこでPlatioで「荷役機械点検アプリ」を作成し、点検業務のデジタル化を実現。年間約1万枚の紙を削減するとともに、月次集計も数日から1時間に短縮しました。
さらに、危険予知活動や災害安否確認、安全行動共有などのアプリも現場主導で作成。スマホから手軽に報告できる環境が整ったことで、ヒヤリハット報告件数が約3倍に増加し、安全衛生活動の活性化につながっています。
この成果は三菱倉庫グループ内で共有され、門菱港運をはじめ複数社へスムーズに横展開されており、港湾現場のDXと安全管理水準の向上につながっています。


三菱倉庫グループ 博菱港運株式会社様、門菱港運株式会社様の事例詳細はこちら
ヒヤリハットの記録や共有を紙のままで運用していると、報告件数が増えず、データ化や分析に時間がかかってしまい、最適な改善策につながりにくくなってしまいます。ヒヤリハット活動は危険な状態の再発を防止し、事故を未然に防ぐことが目的で、そのために最適な改善策を打ち出すことが重要です。効率的にヒヤリハット報告を収集し、重大な事故や怪我を防止するためにも、スマホやタブレットでPlatioを利用してみてはいかがでしょうか。
近年では、電帳法の改正や労働保険の電子申請化といった、行政の各種報告や届出の電子化が進んでいます。ヒヤリハット報告に限らず、他の業務の報告も事前にデジタル化しておけば、電子申請への対応も慌てる事なくスムーズに対応することができます。
時間のかかる現場の管理業務。 モバイルアプリの活用による【現場のDX】推進をマンガでわかりやすく解説します。