中小企業のデジタル化とは、大きく分けて2つの意味があります。1つ目は、今までアナログで行っていた業務をデジタル化することです。紙で管理していた書類をPDFにしてメール送信することやクラウド上でファイル管理するというようなことが当てはまります。2つ目は、デジタル技術によって、新たな価値を見出すことです。例えば、AIによって自動で不良品を発見するシステムを導入するなどが当てはまります。
企業のデジタル化は、政府も力を入れて推進しています。デジタル化の必要性として、以下のような理由が挙げられます。
日本の生産年齢人口は、1990年代をピークに下がり続けています。このままいくと、将来的に人手不足は深刻な問題になり、今後も人員確保が厳しい状況は変わりません。人手不足を解消するためには、非効率なアナログ業務をデジタル化し、業務工数を削減していくことが大切です。そのためにはいかにデジタルに移行していくかが大きなポイントとなっています。
現在、日本の中小企業では、アナログで合理化されていない業務が数多く残っているのが現状です。このままの状態が続けば、紙の運用での手間や管理工数がかかる、情報共有のタイムラグができる、業務の進捗状況がわかりにくいなどの弊害が出てきます。デジタル化を進めることは、これらの問題を解決し、業務プロセスそのものも効率化できるというメリットが生まれます。
業務効率が悪い場合、残業が多い、休日出勤があるなどの勤務体制にも影響を及ぼします。離職率を下げるためにも、デジタル化で業務を効率化し、働きやすい環境を作って人材を定着化させることが中小企業にとって大きな課題となるでしょう。さらに、デジタル化を進めることで、テレワークなどの働き方改革を推進することが可能になります。
紙で書類を管理する場合は用紙代や印刷代がかかり、情報を共有する場合はコピーして配布するので、配布する人数が多いほどコストがかかってしまいます。書類を段ボールに入れ、倉庫に保管しているという企業も多いでしょう。しかし、保管するのにも大きなコストがかかります。書類を社外に送付する際は、紙代や印刷代に加えて、印刷・封入・発送などの作業を行う人件費がかかり、さらに郵送費も必要です。ペーパーレス化が進むと用紙代・印刷代などのコストがかからないだけではなく、印刷して資料を配布する、書類管理のための倉庫作業、保管のための管理費や、保管スペースも大幅に減らすことができます。
飲食店や電車内に印刷物やUSBなどを置き忘れたというニュースをよく耳にします。データの持ち運びによる漏洩や紛失リスクは、企業の信用問題にも大きく関わる問題です。そのため、業務に必要なデータを生産性を維持しながら安全に守ることも必要です。アクセス制限やデバイス制限を設定できる管理ツールを利用することもおすすめです。
その他、社員のセキュリティへの意識の低さが大きな問題を招く可能性もあります。デジタル化を進め、セキュリティ対策を行うと同時に、社員に対しては最新のセキュリティ情報を提供し、教育を進めることによってデータに関する意識を高めることができます。
特定の担当者しか分からないことが多く、担当者が休暇や休職で不在の場合は業務が止まってしまうということはよくあります。これは、生産性が下がるだけでなく、企業にとってリスクでしかありません。普段から業務をデータ化し、情報を共有することによって、担当者が不在でも他の従業員が対応できる環境を作ることが大切です。中小企業のデジタル化は、業務効率化だけではなく社内の属人化も解消できます。
デジタル化のメリットやデメリットやDXの必要性については、こちらの記事をご覧ください。
中小企業がデジタル化を進めるには、いくつかのコツがあります。コツを押さえていなければ、ツールやシステムを導入しても、上手く活用されません。こちらではデジタル化成功のための3つのポイントについてご紹介します。
ITに詳しい人材が現場にいない場合は、デジタル化を進めるにあたってITベンダーなどに相談することが多いでしょう。しかし、ITに精通していても、その提案が自社の運用に当てはまるとは限りません。技術的な面でアドバイスを受けるのは正解ですが、実際にシステムやツールを利用する従業員の声を反映しなければ、使いやすいシステムとして現場に浸透していかず、システム導入が失敗に終わってしまいます。実際に使いやすいシステムを作るためには、業務の運用や実態をよく知っている現場主導でデジタル化を進め業務プロセスを改善していく、現場のDXの取り組みを推進していくことが成功のポイントと言えます。
中小企業がデジタル化を進める際にツールやシステムを導入する場合は、使いやすさや費用面の他に、現在使用している基幹システムと連携できるかどうかを確認することも大切です。基幹システムと連携できなければ、新たな費用が発生し、社内に浸透するために多くの時間がかかってしまいます。
さらに、現場は経済や市場の動向に応じて柔軟な運用が必要になります。社会的なルールや法令が変わるたびに業務や報告の手順やルールを変更しなければならず、その度にツールやシステムも運用に合ったものにしなければなりません。運用に合わせたカスタマイズが可能かどうかも事前に確認しておく必要があります。
DX推進というと大きな変革という壮大なイメージが先行し、予算が少ないからと諦めてしまうケースが多いのが現状です。しかし、低予算でもDXは推進可能です。紙の管理をデジタル化しクラウド上での管理に変更する、電話やFAXでの受付からメールやオンラインで対応するなど、まずは身近なアナログ業務をデジタル化するスモールスタートから始めます。現状の業務を見直し、新しいツールやシステムを検討・導入していくことが大切です。全ての業務をDX化するという壮大なイメージは捨てて、まずは身近な業務から改善していき、PDCAを回しながら少しずつデジタル化を進めていくことがポイントと言えるでしょう。
企業のデジタル化は政府も推進しているため、さまざまな補助金や補助事業を準備しています。こちらでは、中小企業が対象となるデジタル化支援のための補助金・補助事業についてご紹介します。
IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者などが自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する際に受けられる補助金です。ITツールは、パッケージソフトの本体費用やクラウドサービスの導入・初期費用などが対象となっています。補助率は1/2、補助金額は30~450万円です。
小規模事業者持続化補助金とは、小規規模事業者の販路開拓や生産性向上の取り組みを支援するための補助金です。販路開拓や生産性向上の取り組みにかかる経費の一部が補助されます。補助の対象として、ウェブサイトやECサイト等の構築、更新、改修、運用に係る経費である「ウェブサイト関連費」も対象です。通常枠の場合、補助率は2/3、補助金額は上限50万円になります。
中小企業のDX推進は、小さく始めて大きく育てることが成功への近道です。ここでは、100種以上のテンプレートから選ぶだけで簡単に業務アプリが作成できるモバイルアプリ作成ツール Platio(プラティオ)を活用した成功事例についてご紹介します。
ルートや時間帯の定まっていない「緊急輸送対応」を中心に軽貨物運送業を展開している株式会社ワイ.イー.サービスでは、配送報告を紙で運用していました。しかし、紙の報告書では提出遅れや入力漏れなどがあり、事務スタッフの負担になっていました。そこで、Platioで「配送報告アプリ」を3日で作成し、報告書のペーパーレス化に成功しています。ドライバーと事務スタッフ両方の業務が効率化され、事務負担は約30%も軽減しています。
詳しくはこちらをご覧ください。
設備・土木関連の事業を広く展開している東備建設株式会社では、重機の毎日の点検が義務付けられており、点検用紙による確認を行っていました。しかし、月1回の回収日以外は点検状況の確認が難しく、記入漏れへの対応ができないことに大きな課題を感じていました。
そこで、 Platioで「重機点検アプリ」を数日で作成しました。点検負荷が軽減されたばかりではなく、点検報告がリアルタイムで確認できるようになり、点検用紙の回収業務、紙の管理工数がゼロになるなど現場に負担をかけない「点検アプリ」で「建設現場のDX」を推進しています。
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中小企業は、以下のような問題から早急にデジタル化に着手する必要があります。
デジタル化をスムーズに進めるためには、以下のようなポイントを抑えることが大切です。
上記のポイントを抑えるためには、プログラミング不要でシステムを開発できる「ノーコードツール」の活用がおすすめです。
モバイルアプリ作成ツール Platio(プラティオ)であれば月額2万円〜と低コストで導入できるうえに、ノーコード開発でプログラム知識のない従業員が現場の業務に合わせたアプリを短時間で作成・運用できます。
業務を深く知る従業員が自らシステムを作成することで、現場に馴染むシステム導入が可能になり、「現場主導のDX」をスピーディーに実現できます。
現場で使える業務アプリの作成や現場のDX化に向けて下記ページも参考にしてみてください。