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ベテランの技術を受け継ぐ「技術承継」。その中で起こる課題と解決策とは?

技術継承

日本における少子高齢化問題。様々な切り口から語りうる議題ですが、従業員の高齢化による技術承継問題は、深刻な課題の一つです。

ベテラン社員の技術や技能をどのようにして若手に継承していくのか? 「技術承継」に関して解説します。

技術継承とは

企業の存続のために様々な業界で技術継承は課題になっていますが、特に高齢化が進む製造業界において深刻化しています。ものづくりにおいて「技術継承」とは、必要な専門技術を先輩職人から若手へと継承する事を指します。

技術は一代限りのものでは失伝するものであり、同じ品質の物を作り続けるためには技術継承は必要不可欠です。製造業界以外の分野においても特定個人の技能に依存した状態というのはいわゆる業務の属人化を招き、その従業員が休んだり退職してしまう事で他に同じ業務をできる従業員が存在しなくなり、業務の停滞や停止を招きます。

少子高齢化社会において年々若い従業員が減る一方で、定年間近の高齢社員は増えていきます。そういった環境で今後も滞りなく業務を進めていく上でも、技術継承は疎かにはできません。

技術継承が重要な理由

技術継承が重要な理由の1つに軽く触れましたが、他にも技術継承が欠かせない理由はいくつも存在します。主な理由は以下の2つです。

  • 企業競争力の源である事
  • 少子高齢化社会においてベテランがこぞってリタイアし始めている

それぞれ詳しく解説しましょう。

企業競争力の源である

20年ほど前まで「日本製品」は高品質なものとして、メイド・イン・ジャパン製というだけで評価が高くなる程でした。現在においても日本製品の質は決して低くは無いものの、特定分野では他国の品質の方が高いという状態になってしまっていて、日本製品の優位性は揺らぎつつあります。

技術の発展というものは競争によって加速するものであり、技術継承によって技術が維持されれば、既存の技術以外の部分で他企業に負けない新技術の開発に注力することができます。

逆に言えば既存技術の継承が上手く行かなければ、まずその技術のサルベージから始めなくてはならず、企業競争に遅れをとってしまうと言えるでしょう。

ベテランがこぞってリタイアし始めている

1980年代のバブル期を支えたベテラン技術者も定年間際になり、こぞって業界からリタイアを始めているというのが技術継承が注目されている理由の1つです。

技術者が特定世代に偏っているという状態は、その世代の退職で一斉に技術が失われるという事でもあり、これは一企業だけの問題ではなく、日本社会全体の問題と言っても過言ではないでしょう。

リタイアし始めている過渡期の今だからこそ技術継承への対策が急務となります。手遅れになる前に、リタイア前にいかにしてベテランから若手へと技術継承をして、かつ若手を育成するかどうかが今後の日本経済全体の課題と言えるでしょう。

ベテランが技術継承に積極的でない理由

技術継承と言っても、技術を教える側であるベテランが乗り気でなければ上手く行きません。中には技術継承に積極的ではないベテランも存在します。後任育成に熱心な先輩職人も存在していますが、そうでないベテランが多い場合はどうにかして技術継承の必要性を理解してもらう必要があると言えるでしょう。

マニュアルがあれば継承できると誤解している

ベテラン技術者が思い込みがちな誤解として、マニュアルさえ残しておけばそれで十分理解できるだろうという憶測が挙げられます。

勿論、ノウハウのマニュアル化は欠かせませんし、それすらせずに退職する人もいるため、マニュアルを残しているだけでも後任の事を考えていると言えるでしょう。

しかし、マニュアルという「知識」と実際にベテランが経験から身につけた「カン・コツ」とは天と地ほどの差があり、どれだけマニュアルが正確であったとしても、実際にどのようにして行うのかを目で見て体験しなければ実感や手応えを得ることができません。

技術継承に負担を感じている

若手育成が負担で取り組みたくないと感じているベテランも存在します。

通常業務だけで忙しくとてもじゃないが教えている時間が無かったり、そもそも人に物を教えることが得意でないという場合もあるでしょう。

特に「人に物を教える」というのは一種の高等技能であり、得手不得手がある以上こればかりはどうしようもありません。自分と相手で認識が異なっていたり、物の考え方が違っていたり、手先の器用さなどの能力に差があったりと、教える上での問題は沢山あります。

そのため、ベテランが技術継承に取り組めるように企業側が技術継承と若手育成のための環境を作ることが重要です。

ベテランと若手のモチベーションの差

技術継承そのものには抵抗は無いが、そもそも技術継承の認識・モチベーションがベテランと若者で異なる場合もあります。例えば若手の場合、新人研修を始めとして基本的に業務に必要な知識や技能というものは教えてもらう事が前提であり、現代において「技術は先輩を見て覚える」というのは古い考え方であると言えます。

しかしベテランはその古い考えの元技能を磨いてきた者も多く、当然のように若手は自ら積極的に学ぶべきであると考えている場合があります。同じような考えに「自分たちは身につけるのに苦労したのだから、若手も当然苦労するべき」というような非生産的な思考をしている人も存在するため、ベテランや若手の自主性に完全に依存するような技術継承は難しいと言わざるを得ません。

会社のバックアップを期待している

企業側が技術継承やマニュアル化を全体的にバックアップしてくれるという誤解がある場合もあります。元からそういう仕組みがある企業ならともかく、そうでない企業には技術継承を1から10まで完全にバックアップする程の余裕はありません。

基本的にはどの部署も通常業務が最優先であり、技術継承を始めとした教育というものは業務の合間に生じた隙間時間を活用して行われます。
上記でベテランや若手の自主性に完全に依存した技術継承は難しいと解説しましたが、同じように会社側に完全に依存した技術継承もまた難しいため、自主性と会社側のバックアップ、両方のバランスが重要であると言えるでしょう。

技術継承を成功させる方法とは

実際にどのようにすれば技術継承が成功するか、その方法について解説していきましょう。基本的に技術継承において重要なのは環境を整える事です。技術継承を完全に企業側がバックアップするのは難しいものの、環境を整えること自体は可能でしょう。ベテランが若手に技術継承を行いやすい土壌を作ることが、今後も技術継承を続けていく上で必要な事と言っても過言ではありません。

社内制度の整備

技術継承を業務外で行わなければならない、というような状態はベテランが若手育成に熱心な人物でも無い限りやりたがる人は居ないでしょう。それで残業代が貰えるのならまだ検討の余地はあるかもしれませんが、定年・引退が近いベテランに業務外労働を行えるだけの体力があるのか、という問題もあります。

そのため、社会制度を整備して技術継承を業務内で行えるようにするような環境を用意する必要があります。当然その分生産性が低下したり、業務が滞るという問題は発生しますが後々の事を考えた上で若手の育成は必須であり、今を重視した結果、未来を閉ざしてしまうのは賢い選択とは言えません。

自分に得がある行為と何の得も無い行為、どちらを選ぶかは考えるまでも無いでしょう。若手の育成・技術継承を行う事でベテランに得があるような制度を用意すれば、ベテラン側のモチベーションも向上します。

若手人材の確保

技術継承といっても当然ながら継承する相手が居なければ意味がありません。また、技術の継承先が一人しかいない場合、その一人が辞めてしまうと技術継承の道が途絶えてしまいます。そのため、複数人の若手人材を確保し、少しでも多く技術継承を行う事で、万が一特定技能を持った人材が欠けても他の人が補うことができるという環境を作ることが理想と言えるでしょう。

技術の見える化

マニュアルだけではベテラン技術者の技術・技能の継承には十分ではないという点については上記で解説しましたが、マニュアルという知識だけで足りないのであればベテラン目線からの「コツ・テクニック」を解説した動画を作成する事で、「技術の見える化」を図ることが重要です。

紙のマニュアルだけでは現場の人間でありかつ経験を積んだベテランだからこそ感じる感覚的なものは説明できず、言語化も難しいのであれば実際にやって見せるしか伝える手段はありません。

教育マニュアルがより詳細になればなるほど、ベテラン・特定人員に依存した技術継承からの脱却が容易になります。

ノウハウの蓄積・活用

日常的に経験、ベテラン技術者のノウハウを記録・蓄積する仕組みがあれば、若手育成においても蓄積したノウハウを活用する事ができます。そのためには従業員にノウハウの記録を義務化しなければならないため、社会制度や業務環境の整備が必要です。また、ノウハウはデータとして蓄積することで検索や閲覧が容易になるため、デジタルツールの活用も必要となります。デジタルツールの選定においては、従業員の負荷をできるだけ軽減できるように運用することが継続していくポイントです。 特にフィールドワーク系の現場では、その場で手軽に記録ができるスマホをプラットフォームとして活用できることが望ましいです。

スマホからノウハウを記録できる「業務アプリ」を運用した場合、下記のようなメリットがあります。

  • 写真や動画、位置情報などを簡単に取得し蓄積できる
  • ネット環境を気にすることなく登録できる
  • 離れた現場からでもその場で登録できるので、移動の負荷を軽減できる
  • PCに不慣れな従業員でも簡単な操作で登録できる
  • PC利用の待ち時間がなくなる
  • 蓄積データのリアルタイムな情報共有・活用が可能
  • プッシュ通知で重要な情報を見逃さない

ここでは、低予算やIT人材不足でもDXを実現することが可能な業務アプリ作成ツール「Platio(プラティオ)」についてご紹介します。

Platioは、100種類以上のテンプレートからプログラミングの知識不要で、業務に合ったモバイルアプリを作成できるクラウドサービスです。パーツを組み合わせるような操作で業務アプリが簡単に作成できるので、IT人材に頼ることなく、現場の従業員が自ら欲しいアプリを作成することが可能です。

月額2万円から利用できるので、低予算でDX推進を実現することができます。

技術継承効率化の事例

最後にPlatioを活用し、技術継承を効率化した事例についてご紹介しましょう。

NTT東日本 茨城支店

NTT東日本 茨城支店は、ネットワークサービスなどの提供に加えて、電気通信設備の構築や管理、保守を担っています。他のインフラ企業がガスや電気などの地面を掘り起こして工事を行う際は、同社の社員が立ち会い、管路の埋設位置などを説明します。しかし、この立ち会いを担当してきたベテラン社員が高齢化するにつれて若手社員へのノウハウ継承が急務になりました。

そこでPlatioで現場のノウハウをその場で報告できる「匠の技記録アプリ」を2日で作成。効率的かつ信頼性の高い情報を蓄積できるようにすることで、若手社員の育成を効率的に行えるような環境を作ることに成功しています。それまでパワーポイントでノウハウを記録していた時と比べ、年間1,000時間もの業務を削減する事にも成功しており、Platioの活用で技術継承の課題だけでなく業務効率の向上も実現しています。

株式会社NTT東日本 茨城支店、現場の“匠の技”記録アプリを2日で作り、技術継承を効率化

導入事例の詳細はこちらからご確認ください。

株式会社NTT東日本 茨城支店、現場の“匠の技”記録アプリを2日で作り、技術継承を効率化

まとめ

特に製造業界において深刻化しているベテランの退職による技術の損失。

企業の存続や日本経済そのものの国際的優位性にすら関わる重大な問題であり、少子高齢化社会が続く日本では各企業が深刻に取り組むべき課題であると言えるでしょう。この課題を解決するためにも、技術継承に取り組む仕組み作りが重要になってきます。従業員の負荷を軽減しながら、効率的に技術継承のノウハウが蓄積できる業務用のモバイルアプリを活用するなどデジタル化により効果的な技術継承方法を確立する事が急務と言っても過言ではありません。

Platio編集部 最終責任者:中野

著者画像 中野

2013年にアステリアに入社。制作からディレクションなどPlatioのWEB関連を担当をしています。

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