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IT人材不足を解消する「リスキリング」の効果と始め方

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はじめに

最近「リスキリング」という言葉について、耳目に触れる機会が多くなりました。大手企業や自治体を中心にリスキリングに取り組んでいる事例も多いですが、なぜ今リスキリングが求められているのか、どのようなスキルを習得するべきなのか、いまいち理解が進まないという方も多いのではないでしょうか? この記事ではリスキリングの目的と効果、取り組み方のポイントや、習得すべきスキルについて取り上げていきたいと思います。

1.リスキリングが注目されている理由

リスキリング(Reskilling)とは、広義の意味合いとしては、「能力を再度身に付ける」のことで、「社会人が職業能力を学び直すこと」を指します。

しかし現在では、DX(デジタルトランスフォーメーション)の文脈で語られて、「デジタル化に伴うスキル習得」を意味することが多くなっています。IT人材が不足しているといわれる状況において企業がDXを推進していくためには、社外からの人材の確保だけでなく、社内の人材に対してもデジタルスキルを再教育して習得させることが欠かせません。

2020年10月の世界経済フォーラムでは、持続可能な社会への鍵として「リスキリング」が課題として取り上げられており、世界規模で関心が高まりました。

日本でも、キーワード人気度の推移を示す「Googleトレンド」によると、2021年頃から「リスキリング」の検索件数が増えていることが分かります。

 

従業員がデジタルスキルを身に付けることで、IT人材不足の解消、DX人材へ転換させる取り組みとして、いまリスキリングに対して注目が集まっているというわけです。

2.リスキリングで何を学ぶ?

リスキリングの重要性については分かりましたが、実際に何をどのように学習していけばいいのか分からないという声も多くあります。 そこで、企業が具体的にどのような分野のリスキリングを実施しているのか、実際に報道された事例も合わせてみていきましょう。

株式会社manebiが2021年1月に実施した、国内企業500社に対してのアンケート(※)では、5割以上の国内企業においてリスキリングが行われているとされ、その学習分野としては上位順に以下の通りとなっています。

リスキリング学習分野 実施率

1. データ分析 40.12%
2. 情報セキュリティー 39.82%
3. ITリテラシー 37.39%
4. デジタルマーケティング 31.61%
5. PC基礎 19.76%
6. プログラミング 15.50%
7. AI 11.55%

主な学習分野は、「データ分析」「情報セキュリティー」等になるようです。次点がプログラミングで15.5%、AIは11.55%でした。

続いて、リスキリングに取り組む企業の事例を2つピックアップしました。

ソフトバンクの例

ソフトバンクでは、データを利活用できる人材を底上げするため、約1万8000人の全社員に、人工知能(AI)や統計学の実践的なスキルの習得を促しています。「職種を問わず、AIや統計を使える能力は最低限として身につけてもらう」という方針のようです。

三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)の例

三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)は、SMBCグループの全社員5万人を対象に、2021年3月から、「SMBCグループ全従業員向けデジタル変革プログラム」というデジタル研修を進めています。社員1人ひとりがあらゆる場面でデジタル技術の活用を当たり前にしていくことを目的としているそうです。

このように、大手企業では着々とリスキリングを進めています。

3.リスキリング実践のポイントと課題

では、リスキリングを実施するにあたり、どのような点がポイントになるでしょうか? 3つほど紹介します。

ポイント

  1. 学習におけるモチベーションが維持される仕組みを作る
  2. 企業や仕事内容に適したコンテンツを選ぶ
  3. 学んだことを業務で実践し、業務効率化、生産性向上につなげることができる

普段の業務にも役立ち、かつモチベーションが維持されるような教育内容、これらが結びつくことでDX推進につながるといえます。

一方、リスキリングを実践するうえで課題になるのは以下の点です。

課題

  • 非IT人材にとってスキル習得が困難

IT人材または素養がある人ならば、どんどん難しい分野のスキルにチャレンジできますが、一般的な非IT人材にとっては負荷が大きいものになります。
前章のアンケートでプログラミングやAIは実施率が低めでした。たしかに、基礎的なITスキルがない状態からのプログラミング学習は、ハードルが高いとの声もあります。

DXを担う人材育成のためのリスキリングは、一部のデジタル人材を対象にした取り組みではなく、現場の業務を担うすべての人材がデジタル活用できるようにすることが重要であるといえます。

4.現場のデジタル活用に有効な“ノーコード”

では、非IT人材であっても無理なくデジタルスキルを習得することができ、実際の業務へも活用できる分野として、何があるでしょうか?まずは、「ノーコード」の学習がおすすめです。

ノーコードとは、ITスキルや知識を持たない人でも簡単にアプリを作成できる手法で、この手法を用いたノーコードツールが、昨今注目されています。

従来、アプリ開発にはプログラミング言語によるコードの記述が必要でしたが、難易度が高いものでした。それがノーコードツールであれば、コードを書く代わりにビジュアル化されたパーツやテンプレートを置きたい箇所に配置していくことで、現場の担当者でも自分たちの業務に合ったアプリを開発することができます。

ノーコードツールのメリット

  • 非IT人材、初心者でも簡単にアプリを作成できる
  • 外部エンジニアに依頼する必要がなくなり、開発スピードが早くコストも削減できる
  • ツールによって難易度も様々なのでステップアップしていくことができる
  • 導入のハードルが低く、低価格なので取り組みやすい

こうしたツールを駆使することで、非IT人材であっても担当者自らが現場の業務をスピーディーに変革していくことができ、DXを推進していく人材になれるでしょう。

東京都も2022年度、都職員向けのデジタル関連の研修を強化するため、5千人を対象にローコード開発などを学ぶワークショップを開くということです(※)。

ノーコードツールの代表的なサービスとしては、Glide、Bubble(海外発)、kintone、Platio(国内)などがあります。それぞれ特徴が違いますので、以下の記事などを参考にしてみてください。

5.まとめ:リスキリングの目的とNoCode Gateについて

リスキリングは、企業の中の一部の人材だけがマスターすれば良い特殊な技術ではなく、業務に精通した全ての人材がデジタルを活用できるよう育成し、DXを主導していくことが重要になります。

高度なスキル不要で無理なく始められ、誰もが扱えるノーコードなどは、業務に精通した現場担当者のデジタル能力活用、育成に最適といえます。

ノーコードツールを展開するアステリアでは、2022年4月1日より、新たな技術スキルの習得や、ノーコードツールを無料で学習できるポータルサイトNoCode Gateをオープンしています。

ノーコードのデータ連携ツール「ASTERIA Warp」やモバイルアプリ作成ツール「Platio」などの動画学習コンテンツが公開されていますので、リスキリングに活用してみてはいかがでしょうか。

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