Platioでは様々な業種、シチュエーションで活用できるテンプレートが100種類も用意されています。本シリーズではその中から選りすぐってテンプレートの特徴と活用方法、カスタマイズのアイディア、ヒントなどを発信していきます。第8弾は「工場改善レポート」テンプレートを紹介します。
このテンプレートは、工場内外での作業において各作業者が現行作業の改善提案を気づいた際に記録・報告するためのテンプレートです。記録・報告された提案内容についてグループワークなどで対応を検討・対処します。製造業の現場においてよく行われているQC※活動の一環としても使えるものとなっています。
※QC…Quality Control(品質管理)
テンプレートの使い方や構造はシンプルで、ユーザーが「提案日時」「提案者」「対象作業」「改善概要」「改善によって得られる効果」などの項目を入力し、その内容が「改善提案」ミニアプリに記録・蓄積されるという仕組みになっています。ただしQCはサークル活動としてチームを組んで行われることが多いため、「改善提案」ミニアプリが入力用とグループワーク用に分かれているのが特徴です。普段は作業者(user1)でテンプレートにログインし改善の提案内容を入力しますが、チームでディスカッションやグループワークを行う際にはグループリーダー(leader1)でログインすることで、提案に対してのフィードバックを「対応内容」フィールドに書き込めるようになっています。
「改善提案」ミニアプリには写真をアップロードできるフィールドが用意されています。文字だけの改善提案ではイメージも伝わり辛いですが、提案対象の機器や場所の写真を添えることで分かりやすいものになります。さらに「略図」というフィールドでは写真や画像にフリーハンドで書き込みができるので、こちらも活用することで更に訴求力がアップするでしょう。
Platio利用イメージ:工場改善レポート
さて、現場によっては本格的にQC活動に取り組んでいるところ、または取り組みたいと考えているところもあることでしょう。このテンプレートを本格的なQC活動に沿って役立てたい、運用したいというのであればiPhoneではなくiPadを使うことをお奨めします。それもiPad miniではなく10インチ以上の大きいサイズのiPadを使っていただきたいです。その理由として2点あげておきます。
QCには以下の「7つ道具」と呼ばれているツール(手法)があります。
それぞれ「問題点の発見」「原因の分析」「対策の立案」といった品質改善の各フェーズにおいて、次のような感じで役立ちます。
このように、QC活動における論理的な改善アプローチ実践のために、「7つ道具」は切っても切り離せないツールとなっています。これらのツールは殆どが図表であることから、Excelで作成するのが標準的です。iPhoneでもExcelアプリは動きますが、画面サイズの違いから、iPadの方が操作しやすいです。
サイズだけではありません。最も大きな違いは「Split View」というiPadだけの機能です。画面を分割して別々のアプリを同時に動かせるSplit Viewを使うことで、Excelで作成したグラフや図を参照しながらPlatioの「工場改善レポート」テンプレートに内容を書き込む、という使い方ができます。本格的にQCの手法で分析した改善提案を入力するにあたっては「7つ道具」を用いた統計の引用が必須ですので、Split ViewでExcelと併行利用するのが非常に便利です。
Split Viewイメージ
QCはグループ活動のため、チームメンバーで集まってディスカッションしたり、誰かの提案を全員でレビューしたり、といった機会が多くあります。1チームは、せいぜい10人以下の少人数で構成されることが殆どです。
オフィスと違って工場では整った会議室がないところも多いですし、あっても機材が充実していない場合が多いものです。大画面モニターにApple TVでiPhoneの画面を映し出せるなどというケースは少ないでしょう。QCグループワークも休憩室や食堂といった単に机と椅子しかない場所で行わざるを得ません。
そんなときiPadなら、全員で画面を眺めるのに適したサイズです。iPhoneの画面でも4~5人なら何とか覗けるかもしれませんが、iPadの方が断然見やすいです。テンプレートを開いてチームでディスカッションしながら、その場に入力していくという作業にiPadは向いています。
強い組織を作るためにはトップダウンだけでなく、ボトムアップとの融合が不可欠といわれます。製造業の現場において、QC活動はボトムアップの典型的な手法であり、現場のスタッフ1人1人の仕事の改善に対する問題意識を高め、自律型の人材に育て上げる効果があるといいます。まずは「工場改善レポート」テンプレートを使って現場からのアイディアを取りまとめ、改善活動が自主的に行われるようになるための足掛かりとして活用することをお奨めします。
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