スーパーアプリという単語をご存知でしょうか?スーパーなアプリ=とても凄いアプリ、ということではなく、1つのアプリ内に様々なサービスを統合したアプリの総称のことをいいます。まだあまり馴染みがないかもしれませんが、たとえば「LINE」を開くとトークだけではなく家計簿とか証券、ニュースといった複数のサービスが入っているのに気付くと思います。
スーパーアプリは今や世界的に成功を収めており、2020年大変注目されているトレンドワードの一つです。本記事ではスーパーアプリについて紹介し、企業が業務で使うアプリでもスーパーアプリ化するメリットがあるのかどうかについても解説していきたいと思います。
スーパーアプリとは、1つのアプリ内で様々な機能が統合され利用できるアプリのことをいいます。従来は別々のアプリを使っていた機能を、1つのアプリを起動させるだけで実現したものです。和製英語ではなく、海外でもSuper App と呼ばれ、2015年頃から一般的になった言葉だといわれています。
スーパーアプリの先駆けといわれる中国の「WeChat」を例にとると、アプリ名だけを見ればただのチャットツールかと思われますが、実際はチャットだけでなく、ゲーム、ニュース、フィットネス、航空券の購入からフード宅配まで、あらゆるサービスを実装しています。このような、スーパーアプリ内に内包される1つ1つのプログラムのことを「ミニアプリ」と呼びます。
代表的なスーパーアプリを幾つかご紹介しましょう。
このように、おもにアジアの国々においてトレンドになっています。中国ではモバイル決済の市場シェアの90%以上をWeChatとAlipayで独占(※1)しているほど、スーパーアプリが非常にポピュラーな存在として定着しているそうです。
日本では、まだこのようなスーパーアプリが日常に浸透しているとはいえませんが、たとえば昨年11月に発表されたLINEとYahoo!の経営統合はスーパーアプリを見据えたものとされる(※2)ほか、オンライン決済サービスのPayPayもスーパーアプリ化を目指すと宣言しています。
<参考URL>
※1 中国人が解説、中国市場でモバイル決済が急速に普及した理由
※2 ヤフーとLINEが統合合意 「スーパーアプリ」めざす
スーパーアプリは、提供する企業および使用するユーザーにとってどんなメリットがあるのでしょうか?ユーザーをそのアプリに釘付けにできるわけですから、企業にとってはAlipayやWeChatの例のように市場シェアを独占できる可能性があります。
ユーザーの囲い込み | 他社への流出を抑止し、安定した収益が得られる |
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企業価値の向上 | 知名度が上がり、ブランドとして定着する |
多彩な事業展開 | ミニアプリに新機能を追加するだけで既存ユーザーを呼び寄せる効果があり、事業展開が容易に成功しやすい |
また、ユーザーにとって一番のメリットは、使用頻度の多い少ないに関係なく一括でアプリを管理できる利便性でしょう。年に数回しか使わないアプリのために容量を確保したりパスワード管理したりといった必要がなくなるわけです。
ストレージ容量節約 | 複数のアプリをインストールする必要がないため、端末のストレージ容量の節約になる |
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管理の煩わしさからの解放 | アプリ毎に操作方法を覚える必要がなくなる。IDとパスワードの生成やクレジットカード等の登録や管理の手間が減る |
アイコンの減少 | アイコンが減りホーム画面が整理される。スーパーアプリの導入でスマホやタブレットが整理され、使いやすくなる。 |
図1:スーパーアプリの導入でスマホやタブレットが整理され、使いやすくなる
今まで紹介してきたのはtoC市場でしたが、最近toCだけでなくtoB市場でも徐々にスーパーアプリ化の流れが押し寄せてきています。
(例1)マイクロソフト:「Word」「Excel」「PowerPoint」を1つのOfficeアプリに統合
マイクロソフトは今年の2月、AndroidとiOS向けに、Word,Excel,PowerPointを統合したアプリをリリースしました。この3つのアプリはOfficeの中でも三位一体でポピュラーですから、スーパーアプリ化するのも必然といえるでしょう。
(例2)Google:企業向けモバイルアプリの統一に向けて動き
Googleも、メール、Googleドライブ、Hangout、カレンダーなどの様々なエンタープライズ向けサービスを単一のアプリに統一する計画があるようです(※)。
スーパーアプリのメリットは、ビジネスシーンにおいても充分活かされる可能性があるでしょう。スマホやタブレットで仕事をするのが当たり前になった今、各アプリの管理やメンテナンスが手間になっているという課題があります。ストアには無数の「仕事効率化」アプリが乱立していますが、沢山のアプリを併用し1つ1つパスワードやデータを管理するのは、むしろ非効率といえます。
企業ではMDMやUEMといったツールでアプリを管理し配信する運用が一般的です。アプリの乱立は管理する側もユーザー側にとっても負担で、キッティング作業の工数も増え、ネットワークの負荷もかかり、アプリ更新の手間も増えます。企業にとって核となり、全員がそれさえ使えればOKというスーパーアプリがあれば、業務におけるモバイル利用も更に効率アップが見込めます。
現場業務を効率化するモバイルアプリを短時間で作成できるツールPlatio(プラティオ)も、スーパーアプリ・プラットフォームの一つであるといえます。
Platioの特長といえば真っ先にあげられるのが「ノーコードで簡単に業務アプリを作成できる」ことですが、もう一つの特長が「ミニアプリを復数、Platioアプリ内に搭載できる」ことです。
つまり、勤怠管理、検温報告、問合わせ管理、車両点検、アンケート、備品管理など、会社や現場のあらゆるシーンで役立つミニアプリを複数、Platioという1つのアプリ内で実装することができ、同じユーザーアカウントを用いて使うことができるのです。スーパーアプリとは、「1つのアプリ内で様々な機能が統合され利用できるアプリ」を指すので、Platioも該当しています。
スーパーアプリという視点からみると、Platioを導入することで、以下のようなメリットが得られることになります。
対象 | 具体的な効果 |
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使い手側 (現場側) |
個々のアプリ別に操作を覚えたり、パスワードを管理したりする必要がなくなる |
管理者側 (情シス) |
管理が楽になり、導入~保守コストの削減に繋がる。現場の担当者だけで運用を回すこともできる |
会社全体 | Platioの利用が習慣化されることで、様々な業務にITが浸透し業務効率がアップする(DXの推進) |
表3:スーパーアプリの視点からみたPlatioが企業にもたらすメリット
Platioといえば様々な現場のニーズにマッチしたアプリを簡単に作れ、業務を効率化できることが魅力ですが、Platio内に多くのミニアプリを実装できるスーパーアプリであることもまた魅力的というわけですね。
ここまでスーパーアプリについて取り上げてきました。日本においてはまだ浸透しているとはいえませんが、スーパーアプリの思想、概念はビジネスシーンでのモバイル利用にとってもメリットが大きいものといえます。Platioのようなスーパーアプリ・プラットフォームを企業活動のコアとしていくことが、今後の企業のアプリ活用のあり方になっていくでしょう。
Platioの導入事例をひとつにまとめました。小売業やサービス業、医療法人まで幅広い事例を掲載しています。導入背景や課題、どんなアプリを活用して効果を上げたのか、導入担当者の声も交えてご紹介しています。
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前田敦子